ブルーベリーの植物分類学

  • 植物界被子植物門双子葉植物綱ビワモドキ亜綱ツツジ目ツツジ科スノキ属シアノコカス節の果樹です

 ブルーベリーの別名
 
ヌマスノキ・アメリカスノキ
 
 
 日本のブルーベリーと同じスノキ属
 
クロマメノキ(浅間ベリー)・ナツハゼ・クロウスゴ・シャシャンボ・コケモモなど

ブルーベリー(生)の栄養成分
可食部 100cあたり
(ブルーベリーの種類により多少異なります)

  エネルギー    49 kcal
 たんぱく質   0.5 g
 脂質 0.1 g
 炭水化物   12.9 g
 灰分   0.1 g
無 機 質  ナトリウム  1 r
 カリウム  70 r
 カルシウム  8 r
 マグネシウム 5 r
 リン  9 r
 鉄  0.2 r
 亜鉛  0.1 r
 銅  0.04 r
 マンガン  0.26 r
ビ   タ   ミ   ン ビタミン A  レチノール - μg
 αカロテン - μg
 βカロテン 55 μg
 βクリプトキサンチン - μg
 βカロテン当量 55 μg
 レチノール当量 5 μg
ビタミン E  αトコフェロール 1.7 r
 βトコフェロール - r
 γトコフェロール 0.6 r
 δトコフェロール - r
 ビタミンB1(チアミン)  0.03 r
 ビタミンB2(リボフラビン) 0.03 r
 ナイアシン  0.2 r
 ビタミンB6  0.05 r
 葉酸  12 μg
 パントテン酸  0.12 r
 ビオチン  1.1 μg
 ビタミンC  9 r
食物繊維  水溶性食物繊維  0.5 g
 不溶性食物繊維  2.8 g
 食物繊維総量  3.3 g
 文部科学省
 日本食品標準成分表 2010
 平成22年11月16日報告
             参考

   ブルーベリーの特徴的栄養成分


  •  ブルーベリーにはビタミンAビタミンE食物繊維が豊富で、さらに多様のポリフェノールと強い抗酸化作用のアントシアニンが含まれる、機能性果実です。
  •  ブルーベリーには、15種類のアントシアニン色素(赤紫色)が含まれており、アントシアニン色素量が多いほど果皮色は明青色暗青色紫黒色になり色が濃いほど塾果となります。

  •  ビタミン A
  • レチノールは動物性食品に含まれ、αカロテン・βカロテン・βクリプトキサンチンは主に植物性食品に含まれ生体内でビタミンAに転換される物質で視覚の正常化(眼精疲労・夜盲症)成長及び生殖作用感染予防抗酸化作用抗発ガン作用免疫賦活作用肌荒れ予防などに効果があります。
ビタミンA欠乏により、生殖不能・免疫力の低下・夜盲症・眼球乾燥症・成長停止・肌がかさつく・風邪をひきやすくなる・胃腸粘膜が傷つきやすくなる・髪が傷む・爪がもろくなる、などの症状があらわれます。

  •  ビタミン E
ビタミンの一種で、疾病の治療薬、栄養の補給、食品添加物の酸化防止剤など広く利用されており、ビタミンE(トコフェロール)には、抗酸化作用があり、水に溶けにくく脂質に溶けやすいため、脂質の連鎖的酸化を阻止する効果や末梢血管を拡張し血液循環をよくする働きにより動脈硬化心筋梗塞脳卒中高血圧冷え性肩こり腰痛美白美肌(肌荒れ・ニキビ・シミ)・毛髪(抜け毛・薄毛・はげ)などの予防や改善に効果があり、また、自律神経に働きかけることにより、神経機能低下筋無力症の改善、さらに、生殖機能の維持にも作用するため不妊症精力維持更年期障害の低減などに効果があります。

  •  食物繊維
人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体で、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
  • 水溶性食物繊維は、食後の血糖値の急激な上昇を抑制し、コレステロール吸収を緩慢にするため肥満防止に効果があります。
  • 不溶性食物繊維は消化管機能や腸の蠕動(ぜんどう)運動の促進に作用(便秘の解消大腸ガン予防)し、また、ダイオキシン類を吸着して排泄する効果もあります。

   その他


甘味成分としてグルコース・フルクトースを含む
 
 
 グルコース(ブドウ糖)
 
糖の一種であり、動物や植物が活動するためのエネルギーとなる物質のひとつで、特に脳の通常時のエネルギー源として利用されています。
 
 
 フルクトース(果糖)
 
果実やハチミツなどに含まれる糖の一種で、天然に存在する糖の中では最も甘く、低温で、より甘くなる物質であり、食品や飲料に使用され、体内で消化や分解の過程を経ずにエネルギー化できるため、運動中の低血糖を防ぐ効果疲労回復には有効な即効性のある栄養源です。


酸味成分としてクエン酸・リンゴ酸・コハク酸を含む
 
 
 クエン酸
 
主に、柑橘類をはじめとする植物の果実の酸味成分として含まれる有機酸で、清涼飲料水をはじめ各種の加工食品に食品添加物として使用されています。
  • その酸味により、唾液や胃液の分泌を促し食欲を増進させ、さらに、消化吸収もよくなる効果があります。
  • 体内に入った吸収されにくいミネラル分の酸化を抑制し、吸収しやすくさせる効果があります。
  • 体内に入ったクエン酸が分解されると、血液はアルカリ性になり、体の恒常性を保つため尿がアルカリ性になります。 また、痛風の原因物質である尿酸はアルカリ性の尿によく溶け尿酸の排泄を促進させるので、高尿酸血症や、それに伴う痛風尿酸結石の治療薬として使用されています。
  • 血液や体液がアルカリ性になると、酸性体質のドロドロ血液がサラサラ血液に改善される作用があり、成分献血時には抗血液凝固剤として使用されています。 また、正常な酸素の供給が行われるように改善されるため、諸臓器の機能が良くなり、結果、自然治癒力の向上抵抗力の強化を促進させる効果があります。
 
 リンゴ酸
 
和名は林檎(りんご)から見つかったことから名付けられた有機酸で、爽快感のある酸味を持つため、飲料や食品の酸味料として使用され疲労回復整腸作用があり、更に、抗アレルギー作用もあることが解りました。
 
 コハク酸
 
自然界に広く分布しており、旨味のある特有の酸味をもつ有機酸の一種です。
 
特殊な味のため、酸味料としての使用より、酸味を持つ調味料として、清酒や合成酒・味噌・醤油などの味の調整に使われ、食用以外では、化粧水のpH調整成分として、また、メッキなどの工業用や、炭酸ガスを発泡する入浴剤の成分としてなど、幅広く使用されています。

   ポリフェノールとは?

 
ほとんどの植物に含有され、光合成によってできる色素渋み苦味成分で、5,000種類以上あります。
 
 
ポリフェノールの効果
 
ポリフェノールは身体の中に入ると、抗酸化物質として過剰な活性酸素除去と増加を抑制し、活性酸素による血管内臓の各器官への損傷を抑えガン脳卒中、その他生活習慣予防、老化に伴う運動機能の低下平衡感覚記憶力などを維持する効果も高いとされています。

   ブルーベリーに含まれるシアニジンとアントシアニンとは?

 
 シアニジン
 
さくらんぼ・ブルーベリーなどのベリー類・葡萄・りんご・すももなど赤色液果類の果実皮に多く含まれ、pH3で、pH7-8で、pH11で色に変化する有機化合物の一つで、糖などが結合するとアントシアニン(抗酸化物質)がつくられます。
 
また、シアニジンには抗酸化抗ガン抗炎症作用があり、シアニジンの食事摂取により肥満糖尿病の抑止効果があります。
 
 
 アントシアニン
 
ポリフェノール(抗酸化物質)の一種で、植物界において広く存在する果実や花の赤・青・紫を示す水溶性色素です。
 
アントシアニンの強い抗酸化作用
  • 悪玉コレステロールの生成を抑制し、動脈硬化の発症を抑制します。
  • アレルギー反応に関わる酸素の活性を阻害し、アレルギー伝達物質の遊離を抑制するため、アレルギーに対する効果があります。
  • アレルギーの一種であるアトピー性皮膚炎に対する抑制効果があります。 (2005年)
 
 
ブルーベリーに含まれるアントシアニンの生理作用と効果
  • 網膜のロドプシン再合成作用の活性化と網膜毛細血管の抵抗性を増強させる作用があります。
  • さらに全身の毛細血管保護効果と増強、毛細血管の浸透圧を減少させる効果の増強作用もあります。
  • 白内障の水晶体混濁の原因であるタンパクを防ぐ作用があります。
  • 強い抗酸化作用により過剰な活性酸素の除去と増加を抑制する作用があります。
  • 胃液の分泌を増し潰瘍になりにくくし、ガン細胞増殖に関与する酵素を阻害する抗潰瘍活性があります。
  • コラーゲンに直接作用してコラーゲン基質を強化し、コラーゲン分解酵素を阻害する結合組織の強化作用があります。
  • 以上の作用から眼精疲労網膜症末梢血管病関節炎こりなどに効果があります。 (2000年)

   なぜアントシアニンが眼にいいのか?


  •  眼は物を光の形として網膜に映し出され認識し、その光の刺激により網膜上のロドプシン(感光物質)という色素体が発色団へと分解され、この変化が脳へ伝わり『物が見える』と感じています。 アントシアニンにはロドプシン色素体の再合成作用を活性化し、眼精疲労の緩和と視力回復の働きがあるため眼に良いとされています。

一日のブルーベリー摂取量目安 
生の果実では90g以上、VMA(ビルベリーのアントシアニンエキス)なら120r以上とされています。
 
効果・・・摂取してから4時間後に現れ24時間後に消失する。